ビジネスにおいて、思いもしなかった報告を受けることがあります。
例えば
- 懇意にしていた取引先の担当者が急に辞めることになった
- 頼りにしていた同期が突然辞めることになった
- そこが自分にとって最も力を発揮できる場所だと頑張ってきたのに・・・
でも実はずっと以前から水面下で動いていたことなんです。ビジネスにおいてちょっとした変化を見逃さず、常に目を光らせること。今回は孫子の兵法からそのあたりの心構えを考察します。
常に周囲へ目を光らせること
水の形は高きを避けて下きに趨き、兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因りて流を制し、兵は敵に因りて勝を制す。
水というのは柔軟に形を変え高いところから低いところに向かう、軍隊の行動も敵の虚実に応じて行動すること。水は地形により形を変え流れを制すが、軍隊も敵の状況に応じて自らを変化させることによって勝利を制す。
私なりの解釈として、今回の孫子の兵法が言わんとするところは「周囲に常に目を光らせること」だと考察します。
水が流れに沿って柔軟に変化するように、ビジネスマンはビジネスの障害をうまく切り抜けないと仕事は残業続きになり、下手すると休日出勤ということにもなりかねません。それは周囲の変化に気づける能力があるか否かで決まると考えます。
能力といっても、特別な能力ではなく、常日頃から自らの周りに目を向けて、自分には関係ないと決め付けずに、俯瞰して情報収集にあたることです。
そこが本当にあなたにとっての主戦場で良いのか?
また、普段であれば歯が立たない敵やライバルであったとしても、タイミングによっては相手が本来の実力を出せない時期はあるはずです。まさに攻め時というものです。
しかし、ただ漫然と過ごしていては、目の前に転がっているチャンスに気づくことさえもできません。
いつも負けてしまうと嘆いている方は、その場所があなたが本来戦うべき場所であるか否かを、見つめ直す必要があるかもしれません。
どのようにしても、変化に対応できないと感じたなら、きっとそこはあなたの主戦場ではない場所です。
「兵の形は実を避けて虚を撃つ」です。
水面下で動いていたこと
ビジネスにおいて、順風満帆に物事が進められている時程、いつも以上に気を引き締めた方が良いかもしれません。
実は水面下では、我々にとって痛手となる出来事が待ち構えているかもしれないからです。
例えば、得意先の担当者が突然変わることや頼りにしていた同僚が突然退職する等。
ビジネスと言っても色々な種類がありますので一概には言えませんが、ある一定の知識がないと務まらない業務であれば、ベテランがうまい具合に新たな担当者として変更してくれれば良いものの、もし、一から指導しないといけない新人に変更したとしたら、これは相当痛手です。
しかし、実はこれらは何ヶ月も前から水面下では動いていた出来事であった場合もあります。この場合注意深く気にすれば、もしかしたらその変化に気づけたのかも知れません。
そして、気づけてさえいれば、こちらもより良い手が打てたかもしれないのです。
孫子曰く「水は地に因りて流を制し、兵は敵に因りて勝を制す。」
ビジネスマンは敵やライバルとの争いにおいても、そして自らの業務に携わる手順等々についても、自らを必要に応じて柔軟に変化させ、臨機応変に対応することでより良い方向に進められるということです。
【 参考書籍 】
株式会社三笠書房 田口佳史 「超訳 孫子の兵法 最後に勝つ人の絶対ルール」