会社を辞めたくなった経験は皆さんあるのではないでしょうか?
例えばこんなことが原因
- 業務の内容が思っていたものと違った・・・
- 上司と不仲でこのまま長く勤めても出世を期待できない・・・
- 毎日遅くまで残業、休日出勤も当たり前。家族との時間を十分確保できない・・・
- 給料が安く昇給も期待できない・・・
私も2度の転職経験があり、転職を決意した時の気持ちは今でもはっきり思い出せます。
今、転職を迷っている方の気持ちも、転職を決意した方の気持ちもよくわかります。
まず前提として、日本では終身雇用制度が大正末期頃から始まり、同じ企業で定年退職まで雇用されるというのが雇用慣行として一般的とされています。
雇用年数を重ねるごとに昇給し退職する際には退職金があり、年功序列により長く勤めれば勤めるほど出世していく、というのが日本の雇用慣行としてあります。
しかし、少子高齢化や経済低迷により、このような雇用慣行を維持することが難しくなってきています。
そもそも、仕事の幅はますます広がるばかりであり、一つの職場で定年退職まで在職する必要がなくなってきたのかも知れません。
個人が自由に多様な環境で働ける社会になればと願っています。
そこで、当記事では不安や焦り、そして一歩を踏み出すことをためらっている方に向けて、孫子の兵法からそんな時にどう動くべきなのかを考察したいと思います。
臨機応変に対応できるよう心がけましょう
勢とは利に因りて権を制するものなり
情勢とはその時その時の有利な状況に応じて、臨機応変に動くことである。どれだけ、良い策を立ててもそれを実行に移す者たちが指示通り行動しなければ、その策は失敗に終わる。
これから転職したいと考えている方々は、いろいろなシミュレーションを頭の中で試していると思います。
- 自分の強みは営業力だから今より自分の営業力を発揮できる会社はないか?
- 日商簿記検定を取得しているので本当は経理の仕事をしてみたい
- やりがいや達成感よりも仕事に対しては定時できちんと終わり家族との時間や自分の趣味に使う時間を充実させたい
みなさん色々な思いがあると思います。そして計画を立てていると思います。
孫子の兵法を転職に当てはめるのであれば、そこで終わっていては失敗に終わりますよとなります。
素晴らしい計画も行動に移さなければ、時期を逸します。
そして、時期を逃すと計画は白紙に戻ります。
その為、行動に移すことが肝要です。
臨機応変に動くとは?
突然、辞表を提出してはいけません。
家庭がある方なら尚更です。家族を養う大黒柱であれば、生活費を確保しなければなりません。
つまり、自分の能力を今よりも発揮できる先を見つけるための行動を起こしましょう。
ハローワークであったり、求人情報誌であったり、ネットであったり現在の世の中では、その気になればツールは多岐にわたります。そして、計画していたジャンルの企業が見つかれば、その会社を自分が出来うる限りでしっかりとリサーチしてみて下さい。
採用されない可能性はありますが、気になるジャンルの企業を1社でもしっかりリサーチできれば、そのジャンルの他社は同じような状況である可能性があります。
その業種の企業に対する見え方も養われてきていますので、より良い環境の企業を見つけれられるかもしれません。
その為にも、「どれだけ、良い策を立ててもそれを実行に移す者たちが指示通り行動しなければ、その策は失敗に終わる。」とならないよう、自分を客観的に捉え、自分で自分をしっかり行動させましょう。
これらを在職中にしっかりと行いましょう。
臨機応変に動くことこそが肝要だと考えます。
大事なことは突然会社を辞めることではありません。
まずは、自分に有利な条件の環境を探し臨機応変に対応しましょう。そして、総合的に考えて今よりも魅力がある思えたならば、行動に移すことをためらわず自分の心に従って行動されてはいかがでしょうか。
これまでに培ってきた経験こそが何よりの「情報」であり、武器
故に三軍の親は間より親しきは莫く、賞は間より暑きは莫く、事は間より密なるは莫し
数多くの経験を持つ者の中でも、間者は最も傍に置きたく、報酬も厚く、重要な仕事を任せられる。
孫子の時代では「スパイ」が大変重要であり、戦争に勝つか負けるかの勝敗はスパイがもたらす情報の正確さによって、その勝敗を大きく分けるものでした。
日本の歴史の中でも忍者が登場しますが、大きな決断を強いられる状況下において、相手よりも早く正確な情報を収集できるかどうかは重要です。
現代において、スパイをすることはできませんが、転職を希望される方々は、これまでの経験の中で得た知識やノウハウといった何物にも変え難い情報を持っています。
転職先の企業にとっては、その知識やノウハウは評価のポイントとなるはずです。
ただし、前の職場の情報を次の職場に漏らすことではありませんのでご注意下さい。
前職や現職で身につけたスキルを最大限活かした自分の価値とは何なのか、再度見なおして下さい。
あるいは、今の知識やノウハウが全く違った業種で生かされる可能性もあります。
孫子は情報の大切さを伝えていますが、自分の中にすでに培われている武器を今一度見直されることで、新たな一歩を踏み出すための弾みになるのではないでしょうか。